雪田修一
数学者 法政大学名誉教授
まだまだ寄り道・回り道の真っ只中

1954年1月に千葉県印旛郡八街町(現八街市,昔スイカの名産地♪,母の実家)に生まれる.

小学生のとき,縦書きの割り算が分からない.母に叱られながら計算ドリルをやった.

長嶋茂雄の大ファンだった.前日の試合の成績をチェックして,今日の試合の打数と安打数を得たら打率がどうなるか,当時,広島カープの古葉さんと首位打者争いをしていたので熱狂した.でも縦書き割り算ができない.

1~500までの逆数を,割り算を使わずに,つまり大体このあたりか,と見当を付けて元の数と掛け算して1と比較する.徐々に真の値に近づけていき,ほどほどの精度の結果を表にして持っていた.これで,後は掛け算だけで打率が計算できる.

小学校4年生の夏休みに,千葉の母の実家で過した.畑仕事の合間の叔父に,「打率の計算なんて簡単だよ....」と縦書き割り算のやり方を復習させられた.縦書きの割り算て役に立つんだ.感動した.自分のやりたいことに絡めると一発で身につく.叔父はスイカ作りの名人だと尊敬していたが,算数の偉い人だ知って一段と尊敬した.

中学3年のとき平方根を学校で習った.父が「もっと面白いこと教えてあげよう」と言って開平計算のやり方を教えてくれた.中学生の私は,計算結果を平方すると元の値に近い値が得られるのに感動した.

高校に入ったら数学的帰納法に心底びっくりした.高校1年の夏休みに,開平計算の手順によって平方根の近似値を任意の精度で計算できることを証明しようと思い立った.8月いっぱいで完成した.この夏休みの熱中の結果,本気でもっと数学やろうかなと思った.

以後,話はかなり端折るが,結婚して,息子と娘を授かり,論文書いてる最中に幼い息子にパソコンの電源を落とされて,そんなこんなで博士論文提出して,人生いろいろ回り道した.話が長くなるから以下省略です.妻には感謝.

「寄り道の数学者」,いろいろ寄り道し過ぎて中途半端に研究をやり散らして,何も極めてない人生を振り返って反省中ということです.

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